富士キメラ総研は2013年9~10月にかけて世界の自動車市場を対象に,光学関連システムとその構成部材を表示・照明・安全/センシング分野に絞り調査を実施し,報告書「2013 車載光学関連市場の現状と将来展望」にまとめた。
それによると,2013年市場は前年比6.7%増の3兆9,844億円になると見込まれており,2022年には2012年比82.4%の6兆8,106億円になると予測している。
分野別に見てみると,まず表示分野は2013年が対前年比104.6%の2兆5,942億円の見込みで,2020年が2012年比152.9%の3兆7,937億円になると予測。この内訳はインストルメントパネル(インパネ:MID付車載メータ)の2013年見込みが2,382億円で,2020年予測が5,404億円。ドライバや同乗者全員に情報を提供する機器搭載スペースであるセンタークラスタの2013年見込みは1兆9,715億円,2022年予測が2兆7,433億円。ヘッドアップディスプレイ(HUD)の2013年見込みは313億円,2022年予測は2,393億円となっている。
このうち,HUDについて,日本ではレーザプロジェクタを使用したタイプが市販されているが,低コスト化へと進むことが予測されており,LCDタイプが市場を形成すると見られている。2022年には生産される22%にHUDが搭載されると予測しているが,欧州ではHUDの高需要市場であり,2015年には欧州の消費者団体による評価基準に中型車以上へのHUDの標準搭載が加えられる予定となっていることから,中長期にかけて販売が大きく拡大するものと見られている。
次に,照明分野は2013年見込みが前年比100.5%の7,592億円で,2020年予測が2012年比161.1%の1兆2,171億円となっている。この中で,ヘッドランプシステムは2013年が3,962億円の見込みで,2020年予測が6,864億円とされている。このうち,ヘッドランプシステムではLEDヘッドランプが2015年以降,ハイエンド車両を中心に搭載が加速すると予測している。
安全/センシング分野は2013年見込みが前年比126.8%の6,309億円,2020年予測が2012年比3.6倍の1兆7,998億円。この中で,先進運転支援システムの2013年見込みは2,749億円,2022年予測が1兆1,283億円となっている。現在,自動車メーカによる自動運転自動車の開発が活発だが,搭載される車載カメラやミリ波レーダ,レーザレーダの需要増が期待されている。
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