静岡大学 電子工学研究所 准教授の香川景一郎氏は,複数のカメラを利用する「マルチアパーチャカメラ」(複数のレンズをグリッド状に配したカメラ)を用いることで,F値がそれほど高いレンズでなくても,超低照度でのカラー撮影を可能にする技術を開発した。
複数のレンズで撮影した各画像を重畳してS/N比を上げようというものだが,あらかじめ各画素のノイズのレベルを測定しておき,撮影時に被写体距離に合わせてノイズが最小になる組み合わせを見つけ,それを使って加算平均する「選択的平均化法」を採用したことで,欠陥画素を隣の画素などで補う補完処理が不要となるほか,暗電流・アンプノイズの低減,S/N比の改善も期待できるという。
実験ではF/3.0とやや暗めのレンズを用い,超高感度モノクロセンサを使用した結果,被写体照度0.03 lxにおいて,欠陥画素の影響が無く,S/N比も改善した映像を得ることができた。今後,カラーセンサによってカラー化を実現する予定。
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