東北大、有機薄膜太陽電池の電荷損失を防ぐ要因を理論的に解明

東北大学・原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)助教の田村宏之氏はドイツ・ゲーテ大学と共同で、有機薄膜太陽電池において有機半導体の結晶性が高いと光エネルギーで励起した電荷が高速移動し損失が抑制される事を計算機シミュレーションによって解明した。

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量子力学に基づいた計算機シミュレーションで、有機薄膜太陽電池のドナー/アクセプター界面で、光エネルギーを吸収した励起子が電子と正孔に分離しフリー電荷が生成するダイナミックスを量子力学注に基づいた計算機シミュレーションで解析した。

その結果、有機半導体の接合界面では、分子の結晶性が高くなるにつれて静電引力の障壁が下がるため、光励起エネルギーが熱として失われる前に電荷が分離しやすくなり、フリー電荷が生成することを明らかにした。

この研究のような計算機シミュレーションは、光電変換機構の理解を助け、より変換効率の高い太陽電池の材料をデザインする際に、有力な手段になっていくことが期待されるとしている。

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