X線天文衛星「すざく」を用いた観測により、スタンフォード大および宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究者たちは、100億年以上前の太古に、鉄などの重元素が宇宙全体にばらまかれた時代があり、それが現在宇宙に存在するほとんどの重元素の起源であることを確認した。
今回の結果は「すざく」衛星を用いた「キープロジェクト」と呼ばれる、特別な大規模観測プログラムから得られた。我々の近傍にあるペルセウス座銀河団を、2週間にわたってかつてない精度で観測したことで、鉄の分布を精度よく知ることが初めて可能となった。
今後「すざく」や、より高感度の次期X線天文衛星ASTRO-Hなどを用いて、他の銀河団でも同様な現象がみられるのか、さらには、複数の銀河団を含む大規模構造全体ではどうなのかなどを調査することで、重元素の生成とその拡散の歴史に関する理解がさらに進むものと期待される。
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