ドイツのボッシュ,トルンプ,イエナ大学,フラウンホーファーIOFの関係者は,超短パルスレーザシステムの開発により,ドイツ連邦大統領賞である未来賞にノミネートされることになった。この賞は,工業生産において新たに革新的な展望を切り開いた実績を評価するもの。受賞対象となる超短パルスレーザの基礎研究,開発,生産手法の確立と新たな雇用の創出はすべてドイツで行なわれており,研究の場でを生み出し,それを初めて実際の工場に導入したことが評価された。
自動車部品のボッシュでは,超短パルスレーザをガソリン直接噴射式インジェクタの極細ノズルの穿孔に利用している。これにより最大20%の燃費向上につながり,厳格な排出ガス規制への適合にも寄与している。この噴射孔の加工は,それまでの技術では不可能だった。
同社のもう1つの応用例は,LSU-ADVラムダセンサに使われるセンサ素子。それぞれまったく構造が異なるセンサ素子は,ひとつひとつレーザで加工されており,これによって測定精度が2倍高まった。さらに,エンジン点火後のセンサのウォームアップ時間が20秒から3秒に短縮し,特に排出ガス量増加の原因となる低温始動後の排出ガス量を大幅に低減することができた。
その他にも薄膜太陽電池モジュールや,強化ガラスの裁断,患者に合わせてカスタマイズ可能な医療移植片など,様々な応用が可能な技術だとしている。
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