ウシオ電機ら,常温かつ無触媒でNOxを分解できる「VUV直接脱硝」技術を開発

ウシオ電機は,岐阜大学および,アクトリーと共同で,世界で初めて,排ガスに含まれる大気汚染物質のNOx(窒素酸化物)を,エキシマランプを用いたVUV(真空紫外線)を利用し,常温かつ無触媒で脱硝できる「VUV直接脱硝」技術を開発した。

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脱硝とは,船舶等のディーゼルエンジン,火力発電所、ゴミ焼却場などの排出ガスに含まれる大気汚染物質であるNOxを,無害な窒素や水蒸気に分解する技術で,近年,国際的な排出規制の強化を受け,環境保全や省エネルギーの観点から注目されている。

現在,脱硝には主に選択接触還元法(SCR法)が使われているが,触媒が消耗品となりコスト高である上,特定の温度域以外では性能を発揮しないという問題がある。また,触媒を使わず,アンモニアを高温で分解し,NOxを還元する方法(SNCR法)も開発されているが,1000℃程度の高温で起きる反応であるため,ガスを再燃焼させる機構とエネルギーが必要となる。

今回グループは,NOx/アンモニア/酸素が共存する排気ガスに直接VUVを照射することで,世界で初めて,触媒が不要で,かつ温度にも依存しない脱硝技術を開発した。これにより,従来のような触媒が必要なく,常温でも脱硝が可能となり,従来技術の適用が困難であった船舶のディーゼルエンジンなどの低温の排出ガスの脱硝も可能になる。

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