富士フイルムは,内視鏡システムの光源にレーザを用いた新世代内視鏡システム「LASEREO(レザリオ)」用スコープの新ラインアップとして,挿入性の向上を追求した下部消化管用拡大スコープ「EC-L590ZP」を,11月1日より富士フイルムメディカルを通じて発売する。
「LASEREO」は,波長の異なる「白色光観察用レーザ(白色光用レーザ)」と「狭帯域光観察用レーザ」の2種類のレーザを搭載。白色光用レーザを蛍光体に照射することで,通常の観察に適したスペクトル幅の広い白色光を発光させ,自然な色の画像をモニタ上に再現する。
また,「狭帯域光観察用レーザ」は,波長が短いスペクトル幅の狭い光であり,この光を照射することによって,粘膜表層の微細血管やわずかな粘膜の凹凸などのコントラストを強調して画像をシャープに映し出すことができ,微小な病変を観察するのに適しており,特に早期がんに特徴的な粘膜表層の微細血管などの変化を観察できる。
今回発売する「EC-L590ZP」は,先端部径が11.7mmの細径でありながら,光学ズーム機能により倍率135倍(19インチの観察用液晶モニター使用時)まで病変を拡大して観察可能。また,処置具などを出し入れする鉗子口径は3.2mmを確保,吸引や処置などをサポートする。
全長が長く,屈曲部が多い大腸に挿入するスコープには,患者の苦痛を抑えるための細さと軟らかさが求められる一方,医師による操作の微妙な力加減を伝えるために,ある程度の硬さも必要とされている。「EC-L590ZP」は,軟性部表面の樹脂の構成を連続して変化させる構造とし,スコープ先端部には柔軟性を持たせ,手元側の操作部に向かってスコープを硬くすることで,適切なバランスを追求した。
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