東レはタッチパネル配線用の感光性導電ペースト「RAYBRID(レイブリッド)」の生産設備を6倍に増強した。滋賀事業場での設備増強によって年間生産能力は120トンに拡大,9月上旬より生産を開始した。2013年度は目標売上高前年対比10倍を目指す。
スマートフォンやタブレット端末は表示面積をより大きくするために,フレーム部分の狭額縁化が進み,タッチパネルからの信号を内部に伝達する引き出し配線の微細化が求められている。現行のスマートフォン等の画面サイズ(4~8インチクラス)では,パターンの配線幅(ライン:L)と間隔(スペース:S)は,L/S=50µm/50µm以下の微細配線形成が必要となる。
しかしながら従来のスクリーン印刷方式での微細化には限界があり,これら微細パターン形成が可能な手法として注目されているのがフォトリソグラフィー方式である。基板に感光性ペーストを塗布し,露光,現像,焼成などの工程を経て配線パターンを形成する。
「RAYBRID」は,独自の樹脂設計技術と分散技術により,感光性樹脂に様々な機能を持つ無機粒子を分散させた微細配線に適した感光性機能材料。従来のスクリーン印刷方式ではなし得なかった高い量産性を備えた微細加工を実現。現行モデルによるL/S=50µm/50µm以下の配線形成はもちろん,現在立ち上げ中の新規モデルでは,L/S=20µm/20µmの超微細配線形成も量産レベルで実現するとしている。
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