クラレは,産業技術総合研究所との共同研究により,太陽電池モジュールのコスト削減,軽量化に寄与する高耐久性の封止材用PVB(ポリビニルブチラール)フィルムを開発し,市場でのサンプリングを開始した。
太陽電池の普及に伴い,太陽電池モジュールに対しては,コスト削減要求に加え,軽量化による良好な操作性や設置負荷の軽減,さらには過酷な環境下での信頼性向上といった要求が高まっている。こうした環境下,クラレと産総研は太陽電池モジュールの部材の簡略化によるコスト削減と軽量化を実現できる,高強度かつ高耐久性を有する太陽電池封止材用PVBフィルムを開発した。
このフィルムの特長は以下の通り。
- 封止性能が高く,太陽電池モジュール端部シール(内部への水分浸入防止を補強する役割)が不要となる。
- 弾性率が高いため,荷重による負荷が低減,ガラスのたわみを小さくでき,モジュールの強度を保持する。
- 1,2により,モジュール端部シールや,強度を補強するためのフレームや支持体を除去,削減することができ,モジュール部材の簡略化,軽量化によるコスト削減に寄与する。
- 従来の封止材に比べ,経年劣化が起こりにくく,今までにないきわめて高い長期耐久性を有する。
- 昨今顕在化しているPID(Potential Induced Degradation:電位によって誘発される出力低下)に高い耐性を有する。
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