矢野経済研究所では,国内の太陽光発電システム市場の調査を実施した。その結果,2012 年度の国内太陽光発電システム市場は,前年度比180.9%の1 兆3,198 億円(エンドユーザ販売金額ベース)と初めて1 兆円の大台を突破した。内訳は,住宅用太陽光発電システム市場が前年度比114.2%の7,046 億円,公共・産業用太陽光発電システム市場が前年度比545.9%の6,152 億円(いずれもエンドユーザ販売金額ベース)であった。
また国内太陽光発電システムで使用される太陽電池モジュールのうち,2012年度の海外メーカーブランド製モジュールのシェアは,住宅用が16%,公共・産業用が17%となり,全体でも17%に留まった。しかしながら,多くの国内太陽電池メーカーでは,自社生産設備の拡充よりも,生産の海外移管や海外太陽電池メーカーからのOEM 調達を進めていることから,国内市場における海外製太陽電池モジュールのシェアは急増している。
今後の国内太陽光発電システム市場のうち,住宅用太陽光発電システム市場は新築住宅の搭載率の上昇により2020 年度まで拡大基調で推移すると予測する。一方,公共・産業用太陽光発電システム市場については2014 年度までは急拡大するものの,その後は固定価格買取制度の買取条件の悪化やシステム設置場所の不足等のため急激に縮小すると予測する。
国内太陽光発電システム市場規模は2014 年度には3 兆159 億円まで拡大するも,2020 年度には1 兆17 億円(いずれもエンドユーザ販売金額ベース)と2012 年度実績を下回るレベルにまで縮小すると予測する。
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