理研、難治性障害「ジストニア」の新たな発症メカニズムを発見

理化学研究所は、細胞内のカルシウム濃度を調節するカルシウムチャネル「イノシトール三リン酸(IP3)受容体」が小脳と脳幹で機能しなくなると、中枢神経系の難治性障害「全身性ジストニア」を発症することを明らかにした。

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ジストニアは、持続的な筋収縮が不随意に起き、全身あるいは身体の一部の捻転、硬直、反復運動を生じる中枢神経系の難治性障害。病態の多様さから、神経回路レベルでの詳細な発症メカニズムは、まだ明らかにされていない。

共同研究グループは、神経回路の情報伝達に重要な役割を持つIP3受容体に着目し、小脳と脳幹だけでIP3受容体の働きを抑制したマウスを作製した。その結果、下オリーブ核から伸びる登上線維からのプルキンエ細胞への情報の入力と思われる特徴的な神経活動パターンの増加が、ジストニアによる硬直と密接に関係することなどが分かった。さらに、ジストニアは、大脳基底核を含まない神経回路で起こることも示し、従来説とは異なるメカニズムを突き止めた。

これらの成果を発展させることで、ジストニアの新しい治療法開発につながると期待できる。

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