近大など、血中コレステロールを低下させ動脈硬化や高脂血症の予防作用を持つ”キトサン”を 捕らえるタンパク質を発見

近畿大学農学部バイオサイエンス学科教授の深溝 慶氏による研究グループは、福井県立大学および福井工業大学との共同研究により、サプリメントなどでも注目度の高い物質“キトサン”を混合物の中から捕らえるタンパク質を発見し、その仕組みを世界で初めて明らかにした。

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研究グループは、キトサン加水分解酵素というタンパク質の研究に着手し、それらの酵素タンパク質の中の一つ (Paenibacillus sp. IK-5由来キトサン加水分解酵素)に存在する”ディスコイジン・ドメイン”というタンパク質に注目した。

深溝教授の指導の下、近畿大学大学院農学研究科博士後期課程2年の新家粧子氏は、ディスコイジン・ドメインを精製し、いろいろな糖質と混合させてみた。核磁気共鳴(NMR)法を用いて調査した結果、キトサンだけがこのタンパク質に結合することを発見。ディスコイジン・ドメインはキトサンの捕獲に有用であり、またこのタンパク質を使った抽出であれば、従来型の高濃度の酸・アルカリといった廃棄物を伴わないため、環境にも優しくキトサンを入手できることが判明した。

キトサンは血中コレステロールの低下や整腸作用、脂肪吸着などその高い効能で知られているが、今回の発見により、大量の廃棄物を出すことなく環境に優しい手法で、良質のキトサンを入手することができるようになることが見込まれる。

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