シーメンス・ジャパンは,現行のステップ&シュート方式に加え,速度可変型連続移動スキャン機能「FlowMotion」を搭載した新型PET・CTシステム「Biograph mCT Flow(バイオグラフ エムシーティー フロー)」の販売を開始した。
FlowMotionは,被検者ごとに異なる臓器の大きさや条件を考慮し,高分解能撮像や呼吸同期設定,高速スキャンなどのさまざまな撮像条件を,被検者一人ひとりに合わせて設定をすることが可能。また,リニアモータ駆動式寝台を採用しているため,撮像範囲をミリ単位でコントロールすることにより,精密なデータを収集しながら極めて自由度の高い検査が可能。
これまでのPET検出器のサイズに応じてスキャン範囲が固定された撮像では,必要以上に撮像範囲が大きくなるケースがあった。FlowMotionでは必要な範囲のみに合わせて撮像できるため,不要なCTデータの収集がなく,被ばく低減が期待される。
また,FlowMotionによるPET検出器のサイズに制限されない撮像法は,全身領域の信号ノイズ比の一定化に向けた技術であり,撮像範囲全体において優れた定量性を発揮し,治療後のモニタリングなど長期間にわたり高い定量性・再現性を実現する。
さらに,大口径78cm,ショートボアコンセプトのBiograph mCT Flowは,被検者の負担を大きく低減すると共に,例えば腕を上げて検査をするなど,放射線治療中の体位を考慮して行なわれる治療計画応用としてのPET・CT検査にも適している。
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