矢野経済研究所は,国内の3Dスキャナ市場の調査を実施した。それによると,2012年度の国内3Dスキャナ市場は,数量が1,280台(前年度比136.2%),金額が7,680百万円(同125.3%,事業者売上高ベース)となった。短距離製品は主要分野である試作・検査・評価・リバースエンジニアリングなどの工業系用途ユーザ企業の設備投資が堅調に推移したことに加え,歯科,美容などの医療分野や3Dプリンタを軸としたコンシューマ,SOHO向けサービス事業者への導入が進展した。一方,長距離製品は土木・建設系用途の底堅いリプレース需要に支えられながら堅調に推移した。
現在3Dスキャナ市場の中心になっているのは,工業系用途を中心としたBtoB市場である。しかし,まだ規模は小さいものの,今後は非工業系用途でBtoBtoC市場やBtoC市場での需要が拡大していくと予測する。エステやスポーツクラブ,下着メーカなどで使用されるボディスキャナ・フェイススキャナに加え,デザイン確認,ものづくり支援で美術系や工業系の大学・専門学校,タレント・キャラクターのフィギュアやデスマスクなどを展開するエンターテイメント関連事業者への導入が進み,エンドユーザがコンシューマである市場が形成されると考える。
これらを背景に,2016年度の国内3Dスキャナ市場は,数量が2,300台,金額が11,000百万円(事業者売上高ベース)へ成長すると予測した。
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