生理研、神経細胞の特性を明らかにするためのトランスジェニックゼブラフィッシュ群を作成

生理学研究所岡崎バイオサイエンスセンター生命時空間設計研究領域は、様々な脊髄介在神経を可視化するトランスジェニックラインを作製した。特に、ゼブラフィッシュは体が透明であるため、生きたまま、蛍光タンパクを観察する事が可能であり、各神経細胞を可視化したラインは、様々な研究においてきわめて有用である。

130821seirigaku1

作製したライン群は2つのシリーズに分けられる。1つめのシリーズは、神経細胞の神経伝達物質特性と密接にリンクするトランスジェニックフィッシュである。神経伝達物質特性は、神経細胞の個性に非常に重要であり、得られたライン群は、汎用性が非常に高い。

2つめのシリーズは、背腹軸の発生起源に関わる遺伝子に関するトランスジェニックフィッシュである。脊椎動物の脊髄においては、発生期に背腹軸に沿って、転写因子がドメイン状に発現し、各ドメインから異なる神経細胞が誕生することが知られている。この発現は進化的に保存されていると考えられており、さらに、各ドメインから誕生する神経細胞もその、神経伝達物質特性や形態的特徴が共通する。各ドメインを可視化するラインを作製することで、それぞれのドメインからいかなるタイプの神経細胞が生じるかを生きたまま観察することが可能となる。

今後、広く、様々な研究で活用されることが期待される。

詳しくはこちら