グローバル インフォメーションは,市場調査会社Millennium Research Group(MRG)が発行した報告書「US Markets for Arthroscopy Devices 2013 (米国の関節鏡検査装置市場)」の販売を開始した。
MRGでは,米国では人口の高齢化と肥満率の上昇により,関節鏡視下手術の需要が2021年まで着実に拡大し続けると予測している。
高齢者や肥満者は,特に変形性関節症のような変性疾患に罹りやすく,こういった患者のニーズを満たすため,ますます多くの関節鏡視下手術が必要となる。この動向をさらに際だたせているのは,活動的なライフスタイルを維持したいと望んでいる高齢者数が増加していることで,そういった人々は変形性関節症やその他の変性疾患の治療法を探し求める傾向が強くなっている。
以前は変成した関節の治療法として関節形成術が一般的だったが,この手術は侵襲性が高く,痛みを伴うため,現在では患者の多くはこの手術を避けたいと願っており,侵襲性の低い関節鏡視下の手術法を選ぶようになっている。低侵襲性の手術であれば回復が早く,合併症の危険性が低く,患者の痛みを減らすことができ,またこういった手術は外来診療で行なうことが可能なので医療施設のコストを低く抑えることができる。また,さらに多くの外科医が関節鏡視下手術を習熟すれば,治療成績が向上し,ますますこの手術の採用が進むだろう。
MRGの上級アナリストであるLexie Code 氏は「関節鏡視下手術で使われるバイオ医薬品が増加することもこの市場を支えるものとなる。バイオ医薬は治癒を早め,また骨の生育を促進するのに用いる。そうなることでうまくいった多くの手術の出来が最終的にもっと良く仕上がることになる。バイオ医薬の効果については,現在臨床研究にて検証されている。その結果,有効ということになれば,この臨床研究はこれら関節鏡デバイスのセールスを支えるばかりでなく,関節鏡視下手術数をも押し上げるものとなるだろう」と述べている。
手術数の増加は,より厳格な臨床ガイドラインのために幾分かは制限されたものになると見られる。最近,米国整形外科学会(AAOS)は臨床診療ガイドラインを公表した。このガイドラインは,保険事業者がどのような手術に対して保険償還を行なうかの決定に影響を与える。臨床データによる裏付けが不足していると指摘された手術,例えば股関節鏡視下手術などは,このガイドラインの公表以前よりも保険の払い戻しが断られるケースが増えることになるかも知れない。またそうなると全体的な手術件数についてもある程度限定されることになるかも知れない。
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