東北大、急速眼球運動時の後頭葉視覚中枢の抑制メカニズムを解明

東北大学大学院医学系研究科講師の植松貢氏、ウエイン州立大学ミシガン小児病院小児神経科准教授の浅野英司氏らの日米共同研究グループは、急速眼球運動時の後頭葉視覚中枢において、神経細胞活動の抑制と興奮が短時間に目まぐるしく起きて視覚を安定化させていることを、ヒトの頭蓋内脳波を用いた解析にて初めて明らかにした。

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ある視点から離れた別の視点に視線を移動させる時、眼球の急速な回転が起きる。私たちは日常絶え間なくこれを繰り返して外界を見ているが、眼球が回転する短い時間に本来見えるはずのぶれた映像を私たちは認識できない。この現象は“サッカード抑制“と呼ばれるが、その詳しいメカニズムはまだ十分に分かっていない。

今回の研究によって、急速眼球運動時の後頭葉では部位により異なる抑制と興奮が短時間に目まぐるしく起きることによって、視覚イメージをぶれない連続した映像として認識できる、という機序が解明された。例えるならば、10分の1秒単位でアクセルとブレーキを同時に使いこなし、よどみなく自動車を走らせるような技術を、我々の大脳の視覚野が自然に持っている、ということができる。

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