長崎大、バクテリアの滑走運動のメカニズムの解明

長崎大学医歯薬学総合研究科口腔病原微生物学分野日本学術振興会特別研究員(現、学習院大学理学部助教)の中根大介氏と教授の中山浩次氏のグループはある種の細菌が行なう滑走運動のメカニズムを明らかにした。

バクテロイデーテス・フィラムの細菌は、海中・土壌・体内、様々な環境に広く分布している。これらの多くは、滑走運動と呼ばれる、表面上を動く能力がある。滑走運動は、べん毛、線毛など、他の細菌が持つ既知の運動様式とは基本的に異なっているが、その運動メカニズムについてはまったくわかっていなかった。

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今回、運動に関連する外膜タンパク質(SprB)は、滑走運動に直接関与する、外膜タンパク質であるといえることがわかった。さらに、SprBは細菌の外膜から突き出た、150 nmの長さのフィラメント状タンパク質であることがわかった。

150 nmの長さのフィラメント状タンパク質、SprBは、プロトン駆動力をエネルギー源として、菌体表面を極から極へ、左巻きのらせんに沿ってループ状に動く。SprBが床と接着することにより、菌体の長軸方向への並進運動が生じる。

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