阪大、次世代の半導体製造の速度を10倍以上にする技術を確立

大阪大学産業科学研究所招へい教授の田川精一氏、招へい准教授の大島明博氏らの研究グループは最先端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりの半導体ウエハーの処理枚数)を10倍以上向上させる技術を開発した。

次世代の最先端の半導体デバイスの製造のためのリソグラフィ技術の本命として開発が進められている1台100億円と言われる極端紫外線(Extreme Ultra Violet:EUV)リソグラフィの露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループットが目標の10分の1程度と低いことが最大の課題だった。

現在、世界中のレジストメーカーが開発の指針としている標準的な反応理論に基づいたレジストの高感度化は、ほぼ限界に近づいており、10分の1程度と低い露光パワーでは目標のスループットに到達できないので、現在、光源開発を待つ状態が続いている。

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研究グループは基本に立ち返って、露光プロセスと感光性樹脂(レジスト)の両方を同時に根本的に変革し、体系化された標準的な反応理論に縛られない、10分の1程度の低いパワーのEUV露光でもレジストの反応性を高めて目標のスループットに到達できる新しい技術体系を開発した。

これにより、長年にわたって、産業界が望んでいた次世代のリソグラフィ技術の本命であるEUVリソグラフィの早期の実用化が実現することになる。

本成果は、科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)「極微細加工用レジスト研究とプロセスシミュレーターの開発(平成19~24年度)」によって得られた。

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