物質・材料研究機構(NIMS)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点 生体機能材料ユニットMANA 研究者の荏原充宏氏らは、癌の温熱療法(ハイパーサーミア)と化学療法(抗癌剤治療)を同時に実現させることが可能なナノファイバのメッシュを新たに開発した。
実際に温熱療法と抗癌剤投与を併用するには、独立した2つの治療法を別々に行なわなければならず、これまで、同じ場所で同じタイミングで精密に制御することが困難だった。
開発したのは患部に直接貼れるメッシュ状の材料で、温度応答性高分子、磁性ナノ粒子、抗癌剤を組み合わせたハイブリッド材料。このナノファイバメッシュはハンドリングしやすく、内視鏡手術などでも使える。また、ファイバ内の磁性粒子は安定に存在するため体内への拡散も抑えられ、磁性粒子を直接投与する方法と比べて安全性は高いと考えられる。
研究グルプは,このナノファイバメッシュを用いることで、上皮性の癌細胞を効率的に自然死(アポトーシス)させることに成功した。
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