キヤノンは，ユーザの目の前にある現実の映像と，デジタルデータをリアルタイムに融合するMR（Mixed Reality）システム「MREAL」を，2012年7月に発売している。これは，設計の早期段階でデジタルデータを用いた製品の評価を可能にし，試作回数を減らすとこで，開発期間・経費の削減の実現を目的とする製品。
昨年7月に発売した頭部装着型のディスプレイ「HM-A1」に続き，同社は手持ち型ディスプレイの開発を進めている。開発中の製品は，手軽に「MREAL」を使用できるため，ショールームや展示会のほか，会議でのプレゼンテーションなどでの利用が見込まれるもの。
また，位置合わせ専用の他社製のカメラ，カーペット式マーカと併せて使用することで「MREAL」の精度と利便性の向上を実現する，新たなソフトウエアも開発している。ディスプレイ内蔵のカメラとは別角度のカメラを，ディスプレイの外側に装着することにより，現実の映像とデジタルデータとの位置合わせの精度向上と範囲拡大を実現する。また，可搬型のカーペット式マーカを用いることで，システムのセットアップの時間を短縮できるほか，場所を選ばずにシステムを構築できる。
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