カネカ,面蒸着方式を用いた有機ELパネル量産実証設備を増設

カネカは,有機材料の真空蒸着工程において,新たに面蒸着技術を取り入れた有機ELパネル量産実証設備を,同社100%子会社であるOLED青森に増設し,今年4月より稼働を開始した。

この設備は経済産業省先端技術実証・評価設備整備費等補助金より補助を受けたもの。既存設備は,有機材料の蒸着を一つのノズルから行なうポイントソース,および線状に並べた複数のノズルから行なうリニアソース方式を採用していたが,量産が可能な設備として,世界で初めて面蒸着方式を採用した。

新設備では,既存設備と比べ,面内蒸着膜厚分布を5%から3%以内に抑えることと,材料使用効率を約5%から20%強へ向上させることで,有機ELパネルを製造するために使用する高価な有機材料の使用量を抑えることが可能となり,変動費を従来の約40%に削減可能。加えて,1m四方相当の大面積蒸着装置も導入し,さらなるコストダウンを目指す。

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