東京大学大気海洋研究所は,岩手県の大槌湾と船越湾における潮下帯の砂泥底において,大津波の6ヶ月前(2010年9月),6ヶ月後(2011年9月),18ヶ月後(2012年9月)に潜水調査を行ない,大津波の前後での海底環境(水深や堆積物組成)および底生生物の状況を比較した。
その結果,津波半年後の調査では,大津波によって海底環境が大きく変化していることが判明した。また,津波前には多く生息していた大型の底生生物(貝やウニなど)の一部は,津波後には生息を確認することができなかった。なお,底生生物の種類によって大津波から受けた影響の度合いは違っていた。ある種は津波後に姿を消したが,その一方で別の種は大津波前後で生息状況がまったく変化しなかった。
2012年9月の調査では,大津波後に一度はいなくなった底生生物が再び生息していることを確認した。このことは,海底生態系が津波のインパクトからの回復を既に開始していることを意味している。
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