島津製作所は,検便から腸管系病原菌である腸管出血性大腸菌,サルモネラ属菌,赤痢菌の遺伝子を一度に増幅して検出できる「腸管系病原菌遺伝子検出試薬キット」を,6月5日より発売する。価格jは192,000円(192テスト分)。
食品取扱業務従事者を対象に行なわれる,腸管出血性大腸菌,サルモネラ属菌,赤痢菌の保菌者スクリーニングには,それぞれの菌が増殖する選択培地を使用し,検体ごとに対象菌の増殖有無を確認する培養法が用いられている。
しかし,大量の培養シャーレの取り扱いや培養後の確認作業だけでなく,使用したシャーレの廃棄も含めて多大な手間とコストがかかることが課題となっている。また,培養法では,結果の確認に早くても2日を要するが,検便を依頼する立場からは少しでも早く結果を知りたいという要望がある。
核酸(DNA)精製を行なわない同社独自のAmpdirect®テクノロジーを採用した試薬キットは,50検体ごとに一つのチューブにまとめて熱処理と遠心操作を行ない装置で検出するという簡便な工程によって,大量の培養シャーレを使うことなく陰性の判定を1日で行うことが可能となる。さらに,50検体を混合しても,個別に培養する方法と同等以上の検出感度を有する。
時間とコストを削減したいという,検査をする側と検査を依頼する側の両方のニーズに応え,検便による保菌者スクリーニングの効率化に貢献する。
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