国立遺伝学研究所ら,実験用マウス基準系統の成立史を解明

国立遺伝学研究所と理化学研究所からなる研究グループは,日本産マウス亜種(モロシヌス)由来の二つの系統,MSM/Ms(Mishima: MSM)及びJF1/Ms(Japan-Fancy 1: JF1)の全ゲノム解読を行ない,生物・医学研究分野で広く使われている標準的な実験用マウス系統のゲノム配列との比較解析を行なった。その結果,マウスゲノム多型情報が大幅に拡充し,さらに,この情報をもとに標準的な実験用マウス基準系統の成立史についての新知見を得た。

無題

今回のゲノム解析の結果と日本やヨーロッパの古い文献の調査研究により,江戸末期に日本からヨーロッパに渡ったJF1/Msの祖先とヨーロッパ産愛玩用マウスの交配集団が,今日の実験用マウスの基準系統の起源となっていることがわかった。さらに,日本産マウスのゲノムが,実験用マウスの基準系統間の遺伝的多型に大きく貢献していることもわかった。この研究成果によって,実験用マウス系統の成立に関する長い議論にも終止符を打つことができた。

詳しくはこちら。