東大、水素イオン-カルシウム交換輸送体の構造基盤を解明

東京大学大学院理学系研究科教授の濡木 理氏および准教授の石谷隆一郎氏の研究グループは、福岡大学医学部薬理学教室教授の岩本隆宏氏、講師の喜多紗斗美氏、名古屋大学生命農学研究科産業生命工学准教授のMaturana Andres Daniel氏らとの共同研究により、(CaCA)ファミリーに属する、水素イオン-カルシウム交換輸送体の立体構造を高分解能で解明した。

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明らかになった構造では、水素イオンと-カルシウムイオンの結合する部位が細胞内に開いた状態を取っており、TM1とTM6という二本のαへリックスが滑るような動きをすることで、水素イオンとカルシウムイオンの結合部位が細胞内外に開かれた状態を交互に切り替えることが明らかになった。

今回の結果は、長らく不明であったCaCAファミリーにおける分子機構の一端を解明するものであり、将来的には筋疾患の治療薬の開発などへとつながることが期待される。

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