産総研、植物の表面を覆うクチクラ形成に重要な制御遺伝子を発見

産業技術総合研究所生物プロセス研究部門植物機能制御研究グループ産総研特別研究員の大島良美氏 、主任研究員の光田展隆氏らは、農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所と共同で、植物の表面を覆うクチクラ形成の鍵となる制御遺伝子を発見した。

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クチクラは植物の表面に光沢を与えている脂質ポリマーで、最表面に形成されて植物を、風雨、乾燥、紫外線、病原菌などの外部環境から守っている。今回、このクチクラ形成を促す働きをもつ遺伝子MYB106、MYB16を発見した。また、これらの制御遺伝子が制御しているクチクラの形成は、組織の形成や細胞の伸長と連動していることがわかった。

これらの遺伝子によって生産されるタンパク質は、複数の遺伝子の働きの調節に関わる転写制御因子である。転写制御因子を利用することで、多くの遺伝子の働きを一気に変えることができるため、クチクラが含む植物性のワックスの改変、植物表面の形状の改変がより容易になり、ストレス耐性や病害抵抗性の付与、有用ワックス生産用作物の作出、花びらの質感が向上した花きの開発など、多方面への応用が期待される。

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