富士通セミコンダクターは,ハイブリッド車(HEV)などの電気駆動車両に搭載されるバッテリーと電力伝達経路に装備される電源制御に最適な車載向け32ビットマイコン「MB91F552」を開発,5月31日よりサンプル提供を開始する。
この製品は,CAN,マルチファンクションシリアルなどネットワーク制御機能を搭載した汎用1チップマイコンに,「200MHz動作 デジタルPWMモジュール」ほか,デジタル電源制御に必要な各種機能を内蔵した。アナログ信号のフィードバックをデジタル化し,演算処理を行ない,PWM波形生成に反映させるといったデジタル制御を容易に行なうことができる。
また従来,電源システムの制御は個別部品の組み合わせにより構築していたため,その仕様を変更することは容易ではなかったが,この製品ではソフトウェアでの変更が可能になった。動作周波数やPWM波形出力タイミングなどを用途に応じて変更できるようになり,電源システムの開発期間削減,システムコストの最適,およびシステム標準化に貢献する。
さらに,デジタル電源制御の他に,電流フィードバックによる「ピーク電流モード制御」にも対応,より安定した電源制御が可能になった。従来,外部部品により実装されていた「スロープ補償回路」をマイコンに内蔵することで,安定した電源供給と同時に部品点数の削減が可能になり,システムのコストも低減する。
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