環境省は,2011年3月から,赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時から 13 歳になるまで健康状態を定期的に調べる出生コーホート(集団を追跡する)調査「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)を開始した。北海道では,北海道大学環境健康科学研究教育センター内に事務局を設置し,札幌医科大学,旭川医科大学,日本赤十字北海道看護大学と連携して調査を進めている。
これまでに北海道ユニットセンターに登録された妊婦さんのうち,妊娠初期の質問票からアレルギー性鼻炎・花粉症と医師から診断を受けたことがある人の割合は30.3%だった。また,2012年12月末までに登録された妊婦さんの血液データを用いて集計したところ,シラカンバ花粉の特異的 IgE 抗体が陽性(クラス 2 以上)の人の割合は28%だった。北海道でアレルギー性鼻炎・花粉症と診断されたことがある妊婦さんの割合と,シラカンバ花粉特異的 IgE 抗体が陽性になった妊婦さんの割合とはほぼ一致する結果となった。
一方,スギ花粉の特異的 IgE 抗体の陽性は 6%と,全国平均 50%を大きく下回り,エコチル調査を行っている 15 地域の中で最も低い値だった。
北海道ユニットセンターにおけるシラカンバ花粉の特異的 IgE 抗体陽性の割合の集計結果は,今年1月に東京で開催されたエコチル調査 2 周年記念シンポジウムにて発表された。今回は,北海道ではこれからシラカンバアレルギーの季節となるため,実際の北海道の妊婦さんのアレルギー性鼻炎・花粉症の有病率を加味している。
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