自然科学研究機構生理学研究所教授の永山國昭氏を中心に開発された位相差クライオ電子顕微鏡は、通常の電子顕微鏡とは異なり、標本を染色などすることなく、凍らしただけで、タンパク質や微生物の中まで明瞭に観察することができる最先端の電子顕微鏡。
今回、米国エール大学、カルフォルニア大学バークレー校、中国精華大学の研究グループは、生理学研究所と共同で、この位相差クライオ電子顕微鏡を用いて、ヒトのダイサーと呼ばれる酵素タンパク質と小分子RNA(リボ核酸)が、どのように結合し複合体をつくり機能しているのかを明らかにすることに成功した。
これまでの手法では、複数の異なる構造が混在した複合体の構造解析は困難だったが、位相差クライオ電子顕微鏡の高いコントラスト性能をいかすことで、主要な構造を選別して構造解析を行なうことができた。
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