NTTファシリティーズは,販売中の高電圧直流(High Voltage Direct Current:HVDC)給電システムについて,500kW級大容量HVDC整流装置(最高効率98%)および,HVDC整流装置から出力されたDC380Vの電力をAC200VやAC100V,DC-48Vに変換する変換装置(マイグレーション装置)の開発を完了,6月より販売する。
HVDC給電システムは,データセンター等におけるICT機器への給電電圧を約380Vにすることで,通信用直流給電システムの品質を維持しつつ,交流給電システムと比較して消費電力量を最大20%削減,給電信頼度10倍向上,電源スペース最大40%削減の効果が期待できるもので,ICTの省電力化に貢献するもの。
しかし現在ラインアップされているHVDC対応ICT製品だけではデータセンターを構築することが難しいほか,ICT機器の高密度化に対応する大容量給電システムが必要になってきたことがあり,その普及の足かせとなっている。
今回同社は,変換効率を向上させた大容量HVDC整流装置と共に,マイグレーション装置をラインアップに追加することで,あらゆるICT機器へのHVDC対応を可能とし,システム移行の過渡期やHVDCのみでの運用が難しい環境においてもHVDCを活用した柔軟なシステム構築が実現できるようになる。
具体的には,500kW級大容量HVDC整流装置のほか,小~中容量のマイグレーション装置4機種をラインナップに追加する。これらにより,サーバーやストレージなどで主流の給電電圧であるAC100VやAC200V,またルータやスイッチなどで多く使用されているDC-48Vでの給電にも対応する。
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