ウシオ電機,血清フェリチンの定量分析をイムノクロマト法で実現した血液分析装置および専用試薬の販売を開始

ウシオ電機は,イムノクロマト法を採用した卓上タイプの血液分析装置「ポイントリーダー®」の開発を完了し,専用の血清フェリチン試薬「ポイントストリップ® フェリチン」シリーズとあわせて,4月22日より二プロを通じて国内販売を開始する。イムノクロマト法による血清フェリチンの定量分析が可能な装置および試薬の製品化は日本初。

イムノクロマト法とは,毛細管現象を応用した免疫測定法のこと。滴下された検体中の抗原が,試薬にあらかじめ設置された抗体(金コロイドなどの標識抗体)と合わさる(複合体を形成する)ことで発色する。複合体ひとつ一つの発色は目視できないが,それらが集まることで目視レベルの発色となり,それによって物質内の抗原の有無が判定できる。従来,イムノクロマト法は取り扱いが簡易な反面,定量精度が低いため,主にインフルエンザや妊娠,アレルギー検査などの定性分析に限られていた。

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今回同社は,試料中の血清フェリチン濃度によって現れる微妙な色の濃淡を独自の光学技術とアルゴリズムで解析することで,イムノクロマト法による分析能力を飛躍的に向上させた。さらに,周囲温度の変化による測定値への影響を考慮した独自の構造を採用することで,イムノクロマト法の欠点である温度依存性を大幅に改善した。

また専用試薬「ポイントストリップ®」を使い分けることで,1台でさまざまな項目の分析が可能。今回販売を開始する血清フェリチンに続き,既に内蔵疾患系や心筋系などの試薬の開発に着手しており,「ポイントストリップ®」シリーズとして,順次販売を開始する。

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