海洋研究開発機構海底資源研究プロジェクト主任研究員の鈴木勝彦氏らと、東京大学大学院工学系研究科附属エネルギー・資源フロンティアセンター教授の加藤泰浩氏らは、深海調査研究船「かいれい」により本年1月に実施した研究航海において、南鳥島周辺の水深5,600m~5,800mの海底から採取された堆積物のコア試料の化学分析を行い、海底表層付近におけるレアアース濃度の鉛直分布を調べた。
その結果、南鳥島南方の調査地点において、海底下3m付近に、最高6,500ppm(0.65%)を超える超高濃度のレアアースを含む堆積物(以下「レアアース泥」という。)が存在し、複数の地点で海底下10m以内の浅い深度からレアアース泥が出現することを発見した。
また、5,000ppmを超える高濃度のレアアースを含む層は、レアアース泥の上端から下1~2メートル以内に存在することが明らかになった。
それに加えて、今回の調査ではサブボトムプロファイラー(SBP:音響による海底表層地層探査)によって、レアアース泥の出現深度や厚さの情報を効率的に取得できることが分かった。
これらの研究成果は、南鳥島周辺のレアアース資源の賦存量や分布等、今後の成因解明研究や開発等に必要な科学的知見をもたらすものとして期待される。
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