産総研、新しいタイプの遮熱塗料を開発

産業技術総合研究所安全科学研究部門高エネルギー物質研究グループ長の松永猛裕氏の 研究グループは、n-tech株式会社と共同で、不整形シリカを使った新しいタイプの遮熱塗料を開発し、化学物質の安全管理に適用するための基礎実験を行った。

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従来の遮熱塗料は中空ビーズや真球ビーズを使うものが主流であったが、今回開発した遮熱塗料は中空ビーズや真球ビーズよりも安価な粒子径1~4 µmの不整形シリカを用いるため、材料コストの低減が期待される。また、温度刺激による劣化が少なく、塗膜厚を0.2 mmと薄くしても遮熱効果が得られる。

この塗料を輸送用コンテナに塗布したところ、良好な遮熱効果があることが確認された。また、換気装置と併用することで結露を防げるため、コンテナで輸送する物品の過剰な包装を減らすことが可能となる。さらに、石油タンクの天板の一部にこの塗料を塗布する実験では、表面温度が未塗布部よりも10 ℃以上低くなることが確認された。低温で貯蔵する必要がある化学物質の管理が容易になることが期待される。

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