九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所教授の辻健氏らの研究グループは,東北地方太平洋沖地震で活動した断層を,潜水調査船を用いたモニタリング調査などによって特定した。
研究チームが,海洋研究開発機構の潜水調査船「しんかい6500」等を用いて調査した結果,地震前には何もなかった海底に,地震後には地震によって形成されたと考えられる亀裂が発生していることが分かった。
また断層の温度をモニタリング測定したところ,水深3500m付近にある正断層という種類の断層では,地震直後の2011年8月は非常に高かった温度(熱流量)が,1年後の2012年8月には通常の温度に下がっていることが分かった。これは本震時に,正断層が活動したことを示唆するもの。
さらに,正断層の活動によって大陸地殻が海側へ迫り出していることも発見。世界各地で巨大津波が発生する場所でも同様の地質構造が見られることから,今回発見した構造は,津波発生域に特徴的であることが分かった。
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