ソニーは,業界最小10mWの低消費電力を実現したモバイル機器向けGNSS (全地球衛星測位システム) 受信LSI 2モデルおよびGNSS受信モジュール1モデルを商品化,6月から順次出荷する。
チューナーなどの開発で培ってきた技術やノウハウを生かし,独自の高周波アナログ回路技術とデジタル信号処理回路を新たに開発。高周波アナログ回路では,専用の低消費電力ADコンバータや低雑音増幅器,位相同期回路(PLL)などを開発し,デジタル信号処理回路では,機能ブロックごとに電源とクロックの制御を最適化する設計技術などを採用した。これにより,従来,高周波アナログ回路だけで10mWを超えていた消費電力を,GNSS受信LSIとして業界最小の10mWに抑えた。
さらに,スマートフォンに搭載されている加速度センサやジャイロセンサ,地磁気センサなど複数のセンサーからの情報を組み合わせて演算処理することで,高精度な位置測定を可能にするセンサーフュージョン機能を内蔵。衛星信号の受信だけでは位置の測定が難しい屋内などの環境下でも,高い精度で測位できる自律航法(デッドレコニング)を実現した。
測位方式は,人工衛星を利用したGNSSであるGPS(全地球衛星測位システム),GLONASS(全地球衛星測位システム),QZSS(準天頂衛星システム),SBAS(静止衛星型衛星航法補強システム),IMES(屋内測位システム)の5種類に対応した。
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