京セラの100%子会社で水晶デバイスの開発を手掛ける京セラクリスタルデバイスは,原子拡散接合法を応用し,温度特性フリーを実現したエタロンフィルタを開発したと発表した。販売は京セラが行ない,この1月からサンプル出荷を開始する。
エタロンフィルタは光通信用波長可変レーザモジュールにおいて,光波長が安定して発振されているかをモニタするデバイスだが,今回同社は東北大学教授の島津武仁氏が開発した原子拡散接合法を応用し,水晶ウェハを数原子層から数十nmと極めて薄い金属膜で高強度に接合することに成功した。これに加え,正の温度特性を持つ水晶と負の温度特性を持つ結晶を組み合わせる設計技術と高度な水晶加工技術を導入し,従来の5.4pm/℃→±0.15pm/℃と,温度特性を大幅に低減した。これにより,温度調節用ペルチェ素子が不要となるため,波長可変レーザモジュールの小型化と省電力化が実現できるという。今後,光通信関連分野への供給を強化するとともに,産業用レーザへの展開も目指す。 |
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Human Focus
光の現場で働く「人」に焦点を当てたインタビュー