ソニーは,先進運転支援システム(ADAS)用途の前方センシングカメラ向けに,1/1.7型で業界最高解像度となる有効742万画素RCCCフィルタ(R(赤)とC(クリア)を組み合わせたカラーフィルタ)採用の積層型CMOSイメージセンサー「IMX324」を商品化し,11月からサンプル出荷を開始する(ニュースリリース)。
この製品は,従来比約3倍の水平解像度を持ち,遠方撮影では約160m先にある交通標識の高精細な撮像を実現する。さらに低照度の環境においては,感度をより高めるための画素加算モードの搭載により,高感度2666mVを実現し,月明かりに相当する暗さの夜間でも歩行者や障害物を撮像することが可能。
また,夜間においてヘッドライトや街灯により明暗が混在する場面でも,暗い部分は高感度,明るい部分は高解像度で交互に撮像する機能を持たせ,後段の信号処理との組み合わせによる高精度な認識が可能となる。
加えて,画素部分と信号処理部分を重ね合わせた積層構造を車載カメラ向けイメージセンサーとして業界で初めて採用することにより,高解像度ながらも小型サイズと低消費電力を実現した。
なお,このイメージセンサーは,米Intel社の子会社であるMobileye社が先進運転支援システム(ADAS)および自動運転技術に向けて開発中のイメージプロセッサー「EyeQ®4」,「EyeQ®5」と接続可能となる予定。
また,自動車向け電子部品の信頼性試験基準「AEC-Q100 Grade2」を2018年6月までに満たす予定。さらに,自動車向け機能安全規格「ISO26262」に準拠した開発プロセスを導入し,車載向けとしての機能安全要求を満たす設計品質を実現しており,故障検知・通知・制御などの機能安全要求レベル「ASIL B(D)」に対応している。
他にも,車載カメラ向けイメージセンサーとして業界で初めてイメージセンサーから出力される画像の改ざんを防ぐセキュリティー機能を実装した。