NHKは静岡大学と共同で,画素数が3,300万(水平7,680×垂直4,320画素)で,画素サイズが1.1μmの8K CMOSイメージセンサーを開発した(ニュースリリース)。
これまでの撮像素子では,駆動回路などのある表面側にレンズを通した光が入射していたため,配線によって光の利用効率が低下していた。開発した8K用撮像素子は,配線の無い裏面側に光が入射する「裏面照射画素構造」としたため,光の利用効率が改善され,画素の微細化による感度の低下を抑えられる。これにより,光学サイズ2/3インチに相当する,画素サイズ1.1μmの小型化を実現した。
また,画素部と信号処理部を別々に製造して積層する「3次元積層構造」としたことで,画素から出力されるアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換回路を画素部の直下に配置でき,全ての画素の信号を高速に出力できるようになった。
さらに,小型で高速なA/D変換回路を新たに開発したことで,A/D変換時間は従来の半分(0.92マイクロ秒)となり,フレーム周波数は最大で毎秒240フレームまで高速化できる。
NHKでは今後,カメラ化に必要となる感度特性や解像度の特性の改善に取り組んでいくとしている。
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