ソニーと東芝は,東芝所有の大分県の半導体製造関連施設,設備及びその他関連資産の一部をソニーに譲渡する旨の意向確認書を締結し,譲渡に関する協議を進めていくことに基本合意した(ニュースリリース)。
今回,譲渡の対象となるのは,主に東芝の大分工場の300mmウエハー生産ラインの製造関連施設,設備及びその他関連資産。ソニーは譲渡完了後,子会社のソニーセミコンダクタ(SCK)の製造拠点の一つとして,主にCMOSイメージセンサーの製造に使用するとしている。
また,今回の譲渡完了前に東芝が大分工場の300mmウェーハ生産ラインで生産していた半導体製品については,譲渡完了後,東芝からの委託を受けてSCKが受託生産することで協議をしている。
譲渡対象となっている施設及び設備での製造,並びにCMOSイメージセンサーの設計などに関わっている東芝及びその関係会社の社員(約1,100名)については,ソニーへの譲渡完了に伴い,ソニーグループにて雇用を受け入れることで調整を行なっていく。
ソニーとしては,今回の東芝の大分工場の生産ラインの取得により,今後も一層の市場拡大が期待できるCMOSイメージセンサーの生産能力を増強することが可能となる。
東芝は,システムLSI事業において,CMOSイメージセンサー事業から撤退し,技術優位性の高い製品にリソースを投入することにより,同事業の収益力改善を図る。なお,東芝のCMOSイメージセンサー事業の2014年度売上規模は約300億円となっている。
今後,ソニーと東芝は譲渡対象の半導体製造関連施設,設備及び関連資産の譲渡に関して,それらの精査の手続きなどを経て,2015年内に法的拘束力を有する確定契約を締結し,その後,関係当局の必要な承認及び認可を条件として2015年度中の譲渡完了を目指す。