JAXAら,脈動するオーロラの仕組みを解明

宇宙航空研究開発機構(JAXA)と名古屋大学などの研究グループは,JAXAの小型高機能科学衛星「れいめい」の観測データの分析と,名古屋大学などにおいて実施したコンピュータシミュレーションの結果,「コーラス」と呼ばれる宇宙の電磁波がオーロラを引き起こす電子を変調させることで,オーロラの瞬きを作りだしていることを解明した(ニュースリリース)。

オーロラは宇宙から降ってくる電子が高度100km付近の超高層大気と衝突することによっておこる現象。脈動オーロラと呼ばれる数秒ごとに明滅するオーロラは,1秒間に数回瞬くという不思議な性質があるが,何が瞬きを作り出しているかはわかっていなかった。

一方「れいめい」は,平成17(2005)年8月24日に打上げられた小型衛星。最先端の衛星技術の軌道上実証を短期間に行ない,小型衛星に適した理学観測機器を搭載して世界最先端の科学成果を得ることを目的とする。これら機器によって世界最高の時間分解能による電子の観測と,世界で唯一のオーロラの画像とオーロラを光らせる電子の同時観測を行なうことができる。

研究では,宇宙の電磁波がオーロラを引き起こす電子を変調させることで,オーロラが瞬く仕組みを解明した。

「コーラス」という電磁波は,音声に変換すると小鳥の声のように聞こえることから,宇宙のさえずりとも呼ばれる。研究では,この宇宙のさえずりがオーロラの瞬きを引き起こしていることを解明したもので,明滅も同じ仕組みで起きていることを示唆する結果。

また,研究で示された電磁波による電子の変調過程は,平成28(2016)年度に打ち上げ予定の「ジオスペース探査衛星(ERG)」によって,さらにその性質の理解が進むことが予想されるとしている。

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