Sol Voltaics,GaAsナノワイヤアレイで変換効率を2倍に

スウェーデンのSol Voltaicsは,ガリウム・ヒ素(GaAs)ナノワイヤアレイ(NWA)を使用することにより,これまで報告されていた世界記録の光起電力(PV)変換効率をさらに2倍に高めたと発表した(ニュースリリース)。

これは第三者機関であるフラウンホーファーISE(太陽光エネルギーシステム研究所)により検証されたもので,同社のGaAs NWA太陽電池は15.3%の変換効率を1-sun(下方ミラー照射)条件下で示し,効率を高めるタンデム薄膜を太陽光発電産業に提供するマイルストーンを達成したもの。

この成果は,III-V NWA太陽電池として報告されている中で最高の効率であり,またGaAs NWA技術によるこれまでの記録の2倍に相当する。太陽光発電においてはネイティブGaAsの表面の高密度を制御することが不可欠であり,今回の成果はSol Voltaicsが太陽電池ナノワイヤ成長に伴う課題を解決したことを示している。

太陽光発電産業では常にIII-V素材の利用が目指されてきたが,これまで高いコストのためその実現は困難だった。同社のナノワイヤ生産法「Aerotaxy」を使うことにより,III-V薄膜を,競争力のあるコストで生産できるようになった。同社では業界パートナーとの協力を通じ,この技術をSi電池と組み合わせることによって,27%もしくはそれ以上の効率の実現を期待している。

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