NEDOとローム,消費電力世界最小のウェアラブル生体センサを開発

NEDOとロームは,次世代のウェアラブル生体センサに最適な超低消費電力技術の開発に成功した(ニュースリリース)。

NEDOは,電源が遮断されてもデータを失わない不揮発性デバイスを使用することで,消費電力を従来の1/10に低減することを目標に,「ノーマリーオフコンピューティング基盤技術開発」プロジェクトを2011年から実施してきた。

今回,ロームの0.13µm CMOSプロセス,不揮発性メモリを活用し,センサや信号処理部・通信部において,処理が無い時間は電源を積極的にオフして待機電力をなくし,必要に応じて電源を即座にオンする「ノーマリーオフ動作」を実現し,次世代のウェアラブル生体センサに最適な超低消費電力技術の開発に成功した。

この技術を用いたウェアラブル生体センサモジュールにおいては,体表面のわずかな電位差(心電波形)から心拍数を取得(世界最小6µA)し,加速度センサなど他のデジタル出力センサの情報も取得,演算,記録することが可能。また,通信機能も搭載しており,スマートフォンと連動してウェアラブル生体センサの制御とデータ通信を提供する。これらを消費電流38µAと従来比1/5の消費電力で動作ができる。

さらに,消費電力を従来比1/10とする目処も立っており,従来のバッテリー寿命を10倍に延ばすウェアラブル生体センサの製品とともに,構造物の監視センサや農業用センサなどへも広く応用が期待されるとしている。

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