岩崎電気と山口大ら,イネの生育を阻害しないLED照明器具を開発

岩崎電気,アグリライト研究所,山口大学は共同研究で,「夜間照明による農作物の生育に影響のない光」,光害阻止LED照明器具「LEDioc LUMIINE™(レディオック ルミーネ)」を開発した(ニュースリリース)。2015年春の発売を予定し,2014年11月から受注を開始する。オープン価格。

夜間照明の設置は,事故の防止や夜間の犯罪を抑制するなど,地域の安全・安心のためには必要だが,一方で,田畑に隣接した地域では,夜間照明によってイネの生育に遅れが生じるなど,農業生産者の収入に影響があると言われている。

この問題を解決する研究として,山口大学では,LEDで特殊な波長をコントロールし,同時に人間には感じられない高速点滅を行なうことで農作物への影響を与えない「光害阻止技術」を開発した。2009年~2013年の5年間のフィールド実験では,10ルクスで照明してもイネの出穂の遅延が,3日以内に抑制されることが確認されている。

開発したLED照明は,この技術を応用した光害阻止LED照明器具で,適切な夜間照明を行ないながらも,農作物の生育に影響のない,「地域住民の安全・安心」と「農業生産者の安心」の両立を実現できるとしている。

利用が期待されるシーンとして,水田が隣接した通学路や生活道路,郊外型コンビニエンスストア,ファミリーレストラン,道の駅,高速道路のパーキングエリア/サービスエリアなどを想定している。