矢野経済研究所では,世界の駐車支援システム市場の調査を実施した(ニュースリリース)。 ここでの駐車支援システムは,カメラと超音波センサを使ってドライバーの駐車作業を補助するシステムのこと。
具体的には,カメラシステム(後方および全周囲を視認出来る,リアカメラやサラウンドビューカメラを用いたシステム)と,超音波センサシステム(障害物を検知して警報を鳴らすコーナーセンサや駐車操作を自動で制御するパーキングアシストなどのシステム)をさす。
この調査によると,駐車支援システムは米国と欧州を中心に導入が拡大し,2013年の世界市場規模(メーカ出荷金額ベース)は,前年比13.7%増の1,294億9,800万円となった。そのうち,カメラシステム市場は前年比15.1%増の987億5,500万円(リアカメラシステム618億4,200万円,サラウンドビューカメラシステム369億1,300万円)と全体の76.3%を占めた。超音波センサシステム市場は前年比9.2%増の307億4,300万円となった。
2013年における駐車支援用カメラシステム市場の地域別規模は,米国が全体の52%を占め,中国が24%,欧州13%,日本4%と続き,リアカメラ搭載義務化予定のある米国を筆頭に世界的にカメラシステムの導入が拡大している。また,中国においては海外メーカの車両を購入する消費者の間でリアカメラ,サラウンドビューカメラ,コーナーセンサを装着するケースが多く,日本ではサラウンドビューカメラシステムが注目を集めている。
サラウンドビューカメラシステムは高級車を中心に普及していき,特に欧州と米国の規制が始まる2016年と2018年に搭載台数が増加し,2020年においてはカメラシステム市場規模の45%に相当する973億9,400万円まで拡大すると予測する。
リアカメラの標準搭載車種の増加や,車両1台に4個のカメラが搭載されるサラウンドビューカメラシステムの普及によって,カメラシステムの世界市場規模は,2020年2,183億9,900万円,2025年には2,770億9,500万円に成長するとしている。
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