NEDO,太陽光発電普及のための「維持管理の低コスト化」「多用途化」「リサイクル」プロジェクトを開始

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は,太陽光発電の大量導入社会に備え,「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト」,「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」,「太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト」の3つのプロジェクトを開始するとして,各プロジェクトで採択したテーマと企業・団体を発表した(ニュースリリース)。

プロジェクトを通じて太陽電池セル・モジュールのさらなる高性能化・低コスト化の推進に加え,新たな市場拡大やシステム効率の向上,太陽光発電のリサイクル社会構築を目指して,太陽光発電の大量導入社会を支える技術開発を実施する。各プロジェクトの概要は以下の通り。

① 太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト 
太陽光発電の発電コスト低減に向け,コストの過半数を占めるシステムの低コスト化を図る技術開発を行なう。パワーコンディショナや架台など周辺機器において,システム効率10%向上,BOSコスト10%削減を可能とする技術,設備の自動診断技術などにより維持管理費を30%削減する技術を開発し,その効果を実証試験により検証する。

② 太陽光発電多用途化実証プロジェクト
固定価格買取制度により,太陽光発電の導入が加速しているが,太陽光発電を設置する適地が少なくなっている。そこで,導入ポテンシャルが大きいものの導入が進んでいない建物壁面,農業関係,傾斜地,水上の4分野への導入拡大に向け,発電コストを低減させる技術の開発・実証,導入可能性調査を実施。また,発電以外の機能や用途を付加した太陽光発電の高付加価値化技術の開発,実証などを行なう。

③ 太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト
太陽光発電の大量導入に伴う使用済み太陽光発電システムの大量発生に備え,低コストのリサイクル処理技術を開発するとともに,廃棄処分をせず売買できる有価物について,回収率向上や価値が高い状態で回収できるようにする高純度化技術を開発する。


採択テーマと企業/団体(クリックで拡大)