ギガフォトン,ArF液浸レーザでヘリウムを使用しない世界初のパージプロセスを開発

ギガフォトンは,同社の主要製品である高出力ArF液浸レーザ「GTシリーズ」で,希少ガスであるヘリウムをパージガスとして使用しない技術の開発に成功したと発表した(ニュースリリース)。同社は環境技術「グリーンイノベーション」の導入を推進しているが,ヘリウムフリーパージプロセスによってリソグラフィプロセスでのヘリウムの使用量を大幅に削減することができる。

レーザ内部で,ヘリウムは光学部品モジュールのパージガスとして使用される。パージガスはモジュール内に発生する活性ガスや不純物を取り除き,光学部品のダメージを防止する役割を果たす。レーザ1台あたり年間約80-160キロリットルのヘリウムガスを消費するため,全世界で稼働する半導体露光光源では,年間約10万キロリットルを消費していることになる。

しかし,ヘリウムガスは大気中に微量しか存在しない希少ガスであり,主に天然ガスを採掘する際に副産物として採掘される。医療,リニアモータカー,半導体産業など様々な分野で活用されているが,製造業におけるヘリウムの需要は増大の一途を辿っており,現在のペースで消費されると25年後には枯渇すると言われ,不安定な供給と価格の高騰が深刻化している。

同社は今回,このパージガスとして,ヘリウムの代わりに大気の約78%を占める不活性ガスで,供給も安定している窒素を採用したパージプロセスを世界に先駆けて開発,レーザ性能の維持が可能であることを実証した。

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