宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,平成26年5月24日に打ち上げた陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)の初期機能確認試験を実施している中で,同衛星に搭載されたLバンド合成開口レーダ(PALSAR-2)により,初の観測画像を取得・公開した(ニュースリリース)。
公開したのは,PALSAR-2とこれまでの衛星の観測画像の比較画像,伊豆大島の観測画像,西之島の観測画像と航空機搭載合成開口レーダとの比較,富士山周辺の観測画像など。
PALSAR-2は,地殻変動や地球環境の監視に適したLバンドの周波数を用いた衛星搭載の合成開口レーダとしては世界唯一のもので,昼夜や天候によらず地表の画像を取得することができる。「だいち2号」の観測データは,災害発生時の状況把握や森林伐採の監視,オホーツクや極域の海氷観測などに貢献することが期待されている。
JAXAは今後も引き続き初期機能確認試験を行ない,「だいち2号」が所定の性能を満足することを確認した後,8月中旬からは観測データの校正検証を行なっていく。また,一般利用者への提供は11月下旬を予定している。