福島大学,パーキンエルマージャパン,日本原子力研究開発機構,海洋研究開発機構の合同チームは,放射性物質の一つであるストロンチウム 90(90Sr)の新しい分析手法を開発した。
高周波誘導結合プラズマ-質量分析装置(ICP-MS)と呼ぶ分析機器を基軸として 90Sr 分析に特化した分析手法を開発した。装置内の測定元素が通過する 2 箇所に,『オンライン濃縮分離機能』と『リアクション機能』のストロンチウム認識機能を備えることで,段階的にストロンチウムだけが集まるシステムを構築した。
測定に必要な装置稼働時間は約 15 分であり,土壌試料などの固体試料の分解操作を含めたすべての作業工程を含めても 8 検体で 3 時間(=1 検体当たり約 20 分)である。10mL の試料導入時における検出下限値(S/N=3)は,土壌濃度で約 5 Bq/kg (重量濃度換算:0.9 pg/kg),溶液濃度で約 3 Bq/L(0.5 ppq)であった。迅速性で,現状のスクリーニング法としての利用が期待できる。
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