地球規模の課題である気候変動問題の解決に向けて2015年にパリ協定が採択されたことにより世界共通の長期目標が合意され,我が国においても政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにする,カーボンニュートラルを目指すことを2020年10月に宣言しました.これを実現するためのアプローチとして,エネルギーおよび動力源の電化/電動化が大きく着眼され続けています.X線材料強度部門委員会ではX線や中性子といった量子ビームを用いた材料強度評価またその手法の研究を通して,半世紀以上にわたり科学や産業の発展に貢献してきましたが,さらにこれまでに培った知見を地球規模で直面している社会課題の解決に対して適用し寄与することを目指しています.
今回のX線材料強度に関する討論会では「カーボンニュートラル」を達成するための重要なカギの一つである「電動化」をキーワードに電動化社会に向けた強度・非破壊評価における研究開発と技術課題と題して,産官学から関連する最先端の取り組みをご紹介いただき,広い知見を得るとともにX線や中性子といった量子ビームを用いた課題解決アプローチについての議論の場としたいと考えております.また,今回は愛知県瀬戸市で主に産業用途として稼働している小型放射光施設「あいちシンクロトロン光センター(あいちSR)」の見学会を開催し,産業利用の状況等についてもお話を伺う予定です.多数の方々のご参加をお待ち申し上げております.
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